心霊体験?『人が住んではいけない場所③』
こんにちは~風鈴です(,,•﹏•,,)
今回は、前回に引き続き、人が住むべきではない場所について、書こうと思います。
えーっと、風鈴は不可思議な体験をしてしまうという、体質でして、そうなった原因はよくわかりませんが、生まれた時からなんだと思います。
以前にも書きましたが、風鈴は幼き頃から、母親の愛情を受けずに育った為、心にスキがあるらしいです。
まぁ、それと、前からの話を繰り返すようですが、前世で巫女らしきコトをしていたので、現世でも助けを求めてやって来る霊魂達がいるらしい、と。
風鈴は除霊も浄霊も出来ません。
ただ、見たり聞いたり、たまに体を乗っ取られちゃったりと、結構踏んだりけったりして生きてます。
小さい頃から無口で、母親と上手くいっていなかったので、父方の祖父母の家に私だけ間借りしていました。
といっても、敷地内の離れに父と母、妹と弟が居ましたし、単純に自分の部屋が出来た~ぐらいの感覚でした。
本家の角部屋を渡してもらったのですが、そこが、かなりの霊障がある部屋で、昼となく夜となく、毎晩毎晩色々な人の話し声が聞こえたり、誰もいない押し入れや、壁を叩いて夜中に起こされたり、と、いつも大勢に見られている感じでした。
祖父は毎晩、お経を流してくれて、そのお陰で多少静かになる、みたいな。
とにかく、誰にも話さなかったので、知識もなく、体調を崩したりするのは常にありました。大抵原因不明であります。
中学3年の頃に、やっと得た知識は『霊道』ってやつです。
亡くなった魂たちが通る道。
皆、色んな想いをもって通っていったんだと思います。とにかく多すぎて、ひとりひとりの問いかけや訴えが理解出来ないほど、1度に話しかけられ、不眠症になりました。
そこで、祖父が考えたのが、プレハブを買うことでした。離れは確かに部屋数も少なく、風鈴の母親との確執も考えて、高校のお祝いでプレハブに妹・茜と住むことになりました。
その頃、『このメールを5人に送らないと〇〇が起こる』みたいなのが流行っていて、(年代バレちゃいますね)妹・茜は必死に友達にメールしていました。が、風鈴は無視。大体、自分が助かる為に、他人に不幸を押し付けるってこと自体、嫌だったし。
ある晩、茜が風鈴の考えに同感したのか、疲れたのか、携帯をいじるのをやめて寝ようとしました。
当時はダブルベッドに二人仲良く寝ていたので、まぁ、いいんじゃない?ぐらいの気持ちで風鈴もベッドに入りました。
茜は、『何か起きたら起こしてね』とだけ言って、先に寝ちゃいました。
風鈴は何となく居心地が悪く、電気を付けたまま寝ることにしました。
すると、布団の足元がモゾモゾ。
風鈴は猫を飼っていたので、『猫ちゃんが寒くて入ってきた』と思いました。
そのまま寝ようと思ったのですが、モゾモゾが、猫の毛並みが触るのとは少し違うんです。それは、段々と、上に上がってきました。どちらかと言うと、手で足を触られているかんじです。
あーヤバイかも、と思った時には、例のごとく金縛りに。
隣でスヤスヤ寝ている妹に声をかけましたが、声が出ない。
すると、ベッドから見える鏡台がグニャリと歪み、何かが出てきそうに膨らんできたんです。
足の辺りの手の感触は、もうお腹まできていました。(絶対、手だ!)と思った時、鏡台からは、『貞子』もどきの黒髪の女の人らしき物体が半分まで出てきていて。
心の中で妹の名前を叫びました。
すると、布団の中から、手首だけの存在が顔を出し、風鈴の首を締め付け始めました。
これには、風鈴も覚悟しました。今まで見たり聞いたりした金縛りとは違う、明らかに攻撃モード。
迫り来る『貞子』。
首を締め付ける、手首。
絶対絶命の時に、妙に怒りが込み上げてきて『茜のヤツなんのチェーンメールやってたんだよ!あんた達襲う相手間違えてますから!!』と心の中で叫びました。
すると、ビクッと茜が起き出し、ほぼ半泣きで風鈴の名前を呼び、体を揺すってくれたんです。
それで、パッと金縛りも解け、貞子も手首も消えました。
『風鈴ちゃんが死んじゃう夢見たよぉ』
と、半泣きの茜に、(いや、死ぬとこだったよ実際さ)とグッタリしました。
茜が友達に送らなかったメールの内容は
『このメールを3分以内に5人に送らなければ、幽霊に殺される』
という、実に現実離れした内容でした。
まぁ、現実に人違いで起きましたけど。
それで、ふと敷地内の地図を作ってみることにしたんです。なんとなく、そうなんじゃないかな、ぐらいの気持ちで。
そしたら、ドンピシャ、プレハブ、離れ、祖父の間借り部屋、一直線に繋がったんです。
あー、やっぱりって感じです。
実は両親が住む離れも苦手だったので。
多分、霊道って、人が住んではいけないんだと思います。住み心地が悪いというか、長居したくないというか。
多少霊感のある人なら、分かると思いますが、何も感じないという人だと、イライラしたり、気持ちが落ち着かないという感じに。
うちの場合は、道路沿いにプレハブ、そこから敷地内に向かって、離れ、本家と地図上では斜めに流れていました。
霊道の幅や大きさはその当時は分かりませんでしたが、今ならなんとなくわかります。
風鈴が、社会人になって、両親が新築で家を建てました。その際、母は、占い師に建てるのに良い年を聞いていましたが、風鈴は霊道の方が気なっていました。
前にも言いましたが、どの土地も、3年ぐらいはいいんです。
何も起こらないんです。
でも、うちは霊道直下。
4年目に父が体を壊し入退院を繰り返して、原因不明で亡くなりました。
人は死期が近付くと、よくTVでもやってるように、『お迎えが来た』とかいいますけど、父にも最後は見えたみたいです。
付き添いに行った時に言われました。
その時、風鈴は自分の体質を両親に告白していたので、それでだと思います。
『風鈴、見えるか』
そう言って、父はベッドの足の上の方を指さしました。
風鈴には、白い煙の様なものが、数体見えました。顔まではわかりません。
『なんとなく』
と答えると、父はもう亡くなっている親族の名前を言いました。
『あーそろそろなんだな』
翌日の夜、弟が恋人を連れて見舞いに来ました。
『今日、籍を入れてきたよ。結婚式は退院したらするから、早く良くなってな。』
弟がそう言って帰った翌日。
父は息を引き取りました。
安心したんでしょうかね。
まだ数えで57歳。
早すぎる死でした。